初診と手術の選択

初診時に、左膝のパテラの問題を確認しました。跛行は見受けられなかったものの、将来的な関節炎のリスクやドッグランでの活動を考慮し、左膝の大腿骨滑車溝形成術を検討しました。

手術の選択として脛骨粗面転移術も考えられる状態でした。この手術では、膝蓋靭帯の付着部の脛骨粗面の一部を外側に転移し、ピンで固定します。しかし、この手術には比較的高い合併症リスクが伴います。

採用した手術方法

私たちはパテラが乗る溝を長く、また内側をやや深く掘ることで、脱臼のリスクを低減させる方法を採用しました。手術中は筋肉の損傷を最小限にし、出血も極力抑えるよう努めました。

術後の疼痛管理も重視しています。麻酔師との連携も取りながら、手術時間の短縮を目指しました。

術後のケアと推奨

術後、適切な抗菌と疼痛管理を実施。耐性菌の増加を踏まえ、排膿が見られる場合は感受性検査も推奨しています。また、術後のリハビリは非常に重要で、筋肉の廃用性萎縮を防ぐためにリハビリを強く推奨しています。

結論

各症例に適した手術方法を選択し、術後のケアにも十分な注意を払うことが、成功への鍵となると感じています。今後も最善の治療を提供するために、日々の臨床と研究を続けて参ります。