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リンパ腫診断:分類と検査🔍

犬のリンパ腫について知っておくべきこと

リンパ腫は犬の一般的な疾患で、血液の癌として知られています。特に多中心型リンパ腫は犬のリンパ腫の中で最も一般的な型です。実際、犬の90%以上の造血系腫瘍はリンパ腫に関連しています。🔍

このリンパ腫は主に体表のリンパ節が腫大し、進行すると全身性に浸潤していきます✨。初期では下顎リンパ節、浅頸リンパ節の腫瘍が多く、その後、他の体表リンパ節、肝臓、脾臓、体腔内(胸腔内、腹腔内、後腹膜腔内)リンパ節、骨髄など全身のリンパ系組織に浸潤します。約20~40%の症例で体重減少、食欲の低下、発熱、多飲多尿、腹部の膨満感(肝腫、脾腫)、嘔吐、下痢などの非特異的な症状が伴うこともあります。

リンパ腫の症状には、全身のリンパ節の腫脹や元気消失、消化器症状などの全身的な症状が含まれます。特に高カルシウム血症による多飲多尿などの症状や、免疫介在性溶血性貧血や血小板減少症などの免疫関連の症状が認められる場合があります。

高カルシウム血症、免疫介在性溶血性貧血、血小板減少症では、背景にリンパ腫などの腫瘍性疾患が存在していないか検索することが非常に重要です。

さらに、皮膚型や消化型のリンパ腫も存在し、これらはそれぞれ異なる症状を示すことが知られています。特に皮膚型リンパ腫は症状が多様で、消化器型リンパ腫は治療に反応しない持続的な消化症状を示すことが多いとされています。

リンパ腫の発生と免疫表現型

リンパ腫の発生率は、犬の全腫瘍中で7~24%を占め、犬の造血器悪性腫瘍中では83%を占めています。年齢としては中央値が6~9歳で、6カ月から15歳の範囲で発症することが報告されています🔍。病因としては多因子性であり、遺伝的要因や免疫機能の障害などが考えられています✨。

リンパ腫の免疫表現型と悪性度に関して、B細胞性高悪性度が59%、B細胞性低悪性度が9%、T細胞性高悪性度が21%、T細胞性低悪性度が12%となっています。これらの免疫表現型によって病状や進行の仕方が異なるため、適切な治療の選択が重要となります。

リンパ腫の症状と節外型リンパ腫

特に節外型リンパ腫は様々な部位で発生することが知られており、中でも皮膚型と消化型が多中心型に次いで発生する頻度が高いです🔍。皮膚型リンパ腫は紅斑、結節、浸潤などの多様な症状があり、消化器型リンパ腫は治療に反応しない持続的な消化症状を示すことが多いとされています。

リンパ腫についての基本情報🔍

リンパ腫は、ペットの健康問題として知られています。特に細胞診を用いて、潜在的なリンパ腫を無理なく評価することができます。細胞診は、病変の予測や次の診断の方向性を示す重要な検査法として、犬や猫のリンパ腫診断で好んで使用されています🔬。

リンパ腫を早期に診断することは、適切な治療を開始するために非常に重要です🩺。適切な診断と治療の選択をするためには、細胞診やWHO分類による病理組織学的評価、免疫染色、フローサイトメトリー法、リンパ球クローン性解析などの詳細な検査が必要となります📊。

リンパ腫の診断において、リンパ球の形態観察が行われます。リンパ球は「小型、中型、大型」の3つのカテゴリに分けて評価されます🔎。この評価は赤血球や好中球との比較に基づいて行われます。正常なリンパ節では、小型の成熟リンパ球が主体として存在し、中型や大型リンパ球は少数混在しています📌。

リンパ節腫大は、ペットの健康に関わる重要なサインです。リンパ節腫大の原因として、反応性過形成、リンパ節炎、悪性腫瘍のリンパ節転移、リンパ腫の4つの可能性が考えられます💡。早期の診断と適切な治療が、ペットの健康を守るための鍵となります🗝️。

ペットのリンパ腫の分類と診断

ペットのリンパ腫の正確な診断と治療のためには、細胞や組織の特徴に基づいた詳細な分析が不可欠です🔍。ここでは、動物のリンパ腫の主な分類方法とその特徴について説明します。

まず、リンパ腫の分類には主に「新キール分類」と「WHO分類」の2つが存在します📚。新キール分類は細胞の特性に注目し、B細胞やT細胞、進行度による分類を行います。一方、WHO分類は病理学的特徴や病態に基づいて分類します。

これらの分類法を適切に利用することで、犬や猫などのペットのリンパ腫の詳細な診断や治療方針の選択、さらには進行予測が可能となります🩺。

新Kiel分類の概要

近年の臨床医学領域では、リンパ腫の分類として「新Kiel分類」が取り入れられています📘。この分類は、細胞形態と免疫表現型によってリンパ腫を分類するものです。細胞形態に関しては、リンパ系細胞の大きさに基づいて中型〜大型のものはhigh grade、小型のものはlow gradeに分類します。

新Kiel分類では、B細胞性やT細胞性のリンパ腫をさらに細かく分類し、その特徴や治療の適応を明確にすることができます🔬。細胞性の分類は、細胞の核の形態や染色性に基づいて行われます。

WHO分類の特徴

WHO分類は、リンパ腫の病型の特徴や病理組織学的な所見、免疫組織化学に基づいて体系的に分類されます📖。この分類法では、リンパ腫の組織学的特徴や病態を強調するため、組織の採取や詳細な解析が必要となります。

犬のリンパ腫に関しては、切除生検を通じて、WHO分類のサブタイプの特定が行われ、その結果をもとに最適な治療法の選択や飼い主様に対する予後予測が提供されます🐶。

ペットのリンパ腫と新キール分類🔍

ペットの健康は飼い主の方々にとって非常に重要なものです🐾。特に、リンパ腫という疾患は、正確な診断と治療が求められます。そのための新しい診断方法として、「新キール分類」があります🔬。この方法では、細胞診による情報を元に、リンパ腫の細胞の特性や治療の適応を明確にすることができます🩺。

新キール分類の詳細📘

新キール分類は、動物のリンパ腫を細かく分類するものです。具体的にはB細胞性やT細胞性のリンパ腫を、細胞の形態や免疫表現型に基づいて分類します🔎。この分類は、もともと病理組織学的分類法として知られていましたが、細胞診検査にも応用が可能です📚。細胞の核形態や細胞質の特徴を元に、high gradeやlow gradeといった分類が行われます。

新Kiel分類の特徴として、基本的に新WHO分類に包含されているため、相互の対応が一部可能です。特にLow gradeのリンパ腫は、細胞学的検査のみでの確定診断が難しく、免疫染色を含む病理組織学的検査やクローナリティー検査とあわせての診断が推奨されています⚕️。