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乳歯抜歯(乳歯遺残)って必要?|将来の歯周病・歯並びトラブルを防ぐために

乳歯抜歯(乳歯遺残)って必要?|将来の歯周病・歯並びトラブルを防ぐために

「永久歯が生えてきたのに乳歯が残っている気がする」「歯が二列に見える」など、子犬・子猫の飼い主さんからよくあるご相談です。乳歯は自然に抜けることも多い一方で、残ったまま固定されてしまうことがあります。必要に応じて麻酔下で乳歯抜歯を行い、将来の口腔トラブルを予防します。


この記事のポイント


  • 乳歯遺残は「歯が二列になる」「汚れが溜まる」などから、若いうちの歯肉炎・歯周病リスクを上げることがあります。
  • 犬歯の乳歯が残ると、永久歯がずれて生え、口の中を傷つけたり噛み合わせに影響することがあります。
  • 抜歯は基本的に麻酔下で安全に行い、歯の根が残らないように確実に処置します。
  • 術後は回復が早い子が多いですが、数日は硬いものを避け、違和感・腫れ・出血などがあれば早めに相談しましょう。

乳歯遺残とは?どんな状態のこと?

犬や猫は、子どもの頃に乳歯が生え、その後永久歯に生え変わります。通常は、永久歯が生えてくる圧力に合わせて乳歯の根が吸収され、乳歯は自然にぐらついて抜けます。

ところが、乳歯の根が十分に吸収されないなどの理由で、乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。これを乳歯遺残と呼びます。

乳歯遺残でよく気づかれるサイン


  • 永久歯が出ているのに、乳歯がそのまま残っている
  • 歯が二列に並んで見える
  • 歯と歯のすき間に汚れが溜まりやすい(口臭、歯肉の赤み)
  • 口を気にする、噛みづらそう、硬いものを嫌がる

乳歯が残ると何が問題?放置で起こりやすいこと

乳歯遺残は、今すぐ緊急になることは少ない一方で、将来の口腔トラブルのきっかけになりやすい状態です。特に「歯が二列」の状態は、歯みがきが難しくなり、汚れがたまりやすくなります。

  • 若いうちから歯肉炎・歯周病が進みやすい:汚れが溜まりやすい環境が続くと、歯肉炎→歯石→歯周病と進行しやすくなります。
  • 歯並び・噛み合わせへの影響:永久歯が本来の位置に生えにくくなり、内側・外側へずれて生えることがあります。
  • 口の中を傷つける:ずれて生えた歯が上あご・頬・舌に当たり、慢性的な痛みや炎症の原因になることがあります。
  • 将来の歯科治療が大変になる:早い時期の予防ができると、将来の抜歯や重度歯周病のリスクを減らせます。

特に注意したい「犬歯の乳歯遺残」

乳歯遺残の中でも、特にトラブルが起こりやすいのが犬歯です。乳歯の犬歯が残ったまま永久歯が生えると、永久歯が内側にずれて生えやすく、口の中を傷つけたり、噛み合わせに影響することがあります。

犬歯の乳歯遺残で起こりやすいこと


  • 永久歯が内側へ生えて、上あご・下あごに当たる
  • 歯が粘膜に当たり、傷・出血・炎症が続く
  • 汚れが溜まり、犬歯周囲の歯肉炎が進みやすい
  • 歯の位置が固定され、後から矯正が難しくなることがある

抜歯が必要かどうかの判断ポイント

「乳歯が残っている=必ず抜歯」ではありません。自然に抜けそうか、永久歯の位置や歯肉の状態に悪影響が出ていないかを含めて判断します。

  • 永久歯がすでにしっかり生えているのに、乳歯が固定されている
  • 歯が二列になり、汚れが溜まりやすい
  • 歯肉の赤み・腫れ・出血・口臭など炎症サインがある
  • 噛み合わせに影響が出ている、歯が粘膜に当たっている
  • 乳歯がぐらつかず、自然脱落が期待しにくい

なぜ麻酔が必要?「引っ張れば抜ける」ではない理由

乳歯は小さく見えても、根がしっかりあります。動いてしまう状態で無理に抜こうとすると、歯が途中で折れて根が残ったり、顎の骨に負担がかかったりするリスクがあります。安全に、確実に処置するために、基本的に麻酔下で行います。

麻酔下で行う主なメリット


  • 歯の根まで確実に抜歯でき、根の取り残しを防ぎやすい
  • 顎の骨や周囲組織への負担を最小限にできる
  • 痛み・恐怖を与えず、落ち着いて正確な処置ができる

乳歯抜歯の一般的な流れ

  • 口腔内チェック(乳歯の残り方、永久歯の位置、歯肉、噛み合わせ)
  • 必要に応じた術前検査(年齢・体調に合わせて実施)
  • 麻酔の計画(体重・既往歴・状態に合わせて)
  • 麻酔下で抜歯(根が残らないように丁寧に)
  • 止血・必要に応じて縫合
  • 覚醒後の確認、帰宅(または短時間のお預かり)

術後の過ごし方|痛み・食事・遊びの注意

若い子は回復が早いことが多く、術後の痛みも強く出ない場合があります。ただし個体差があるため、必要に応じて鎮痛薬を使用します。食事は状態により当日から可能なこともありますが、抜歯の本数や歯肉の状態によって調整します。

術後しばらく控えたいこと


  • 硬いおやつ、ガム、骨状のおもちゃ
  • 強く引っ張り合う遊び(口に負担がかかるため)
  • 獣医師から指示がある場合の歯みがき再開時期の無理な前倒し

こんな時は早めに相談|受診の目安

  • 出血が止まらない、あるいは量が多い
  • 顔や口元が腫れてきた
  • 強い痛みで食欲が落ちる、触られるのを極端に嫌がる
  • 元気がない、ぐったりしている
  • 口のにおいが急に強くなる、よだれが増える

よくある質問(Q&A)

Q:乳歯は自然に抜けるのを待ってもいいですか?

A:乳歯が強くぐらついていて自然脱落が近い場合は、様子を見ることもあります。ただ、永久歯が生えているのに乳歯がしっかり残っている場合は、歯並びや歯肉への影響が出やすいので、早めのチェックがおすすめです。

Q:麻酔が心配です。

A:麻酔はゼロリスクではありませんが、年齢・体重・体調に合わせた事前評価と管理で、リスクをできる限り下げることができます。心配な点は遠慮なくご相談ください。

Q:抜歯すると永久歯が弱くなりませんか?

A:適切に抜歯を行えば、永久歯自体が弱くなるわけではありません。むしろ、乳歯遺残を放置して歯肉炎や歯周病が進む方が、永久歯に悪影響が出やすくなります。

Q:いつ頃、相談するのが良いですか?

A:「永久歯が見えてきたのに乳歯が残っている」「歯が二列に見える」「歯肉が赤い・口臭が気になる」などのサインがあれば、早めの受診がおすすめです。お口の状態や成長段階に合わせて、最適な方針をご提案します。

まとめ|乳歯抜歯は「将来の健康への投資」

乳歯遺残は、見た目だけの問題に見えることもありますが、歯肉炎・歯周病、歯並びや噛み合わせの乱れなど、将来のトラブルにつながることがあります。「歯が二列に見える」「乳歯が残っているかも」と感じたら、早めのチェックで、その子に合った最適なタイミングと方法を選びやすくなります。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

(ここに症例写真や図を差し替えで追加できます)(文献が手元になくても理解できるように)
対象:犬猫臨床・一般軟部外科(開腹)前提/獣医師向け(腹腔鏡・内視鏡手技は扱いません)本記事は、症例スライド・原稿で提示された情報を統合し、同様の手術計画・判断・実施ができる粒度でまとめた専門家向けレポートです。「元の文献が手元になくても理解できる文章」を目標に、省略せずに整理しています。腹腔鏡・内視鏡手技は除外し、開腹での一般軟部外科手順として記載します。薬剤は施設差が大きいため、本文では「目的・タイミング・注意点」を中心に記載し、用量は院内プロトコルで最終確認