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愛犬の健康を守る:肥満細胞腫の全てを知って、早期発見・早期治療を

犬の肥満細胞腫とは?🐕

犬の肥満細胞腫は、肥満細胞と呼ばれる細胞が腫瘍化することで発生します。これは犬の皮膚や皮下組織で特に発生しやすい病気です。肥満細胞は、通常は体内でアレルギー反応などの役割を持つ細胞ですが、何らかの原因でこれが増殖してしまうと肥満細胞腫として表れます。

この腫瘍の悪性度は、Patnaikにより提唱された3段階の組織学的グレード分類によって評価されます。予後は、腫瘍の発生部位よりもこのグレードによって大きく左右されます。

どのように診断・ステージングされるのか?🔬

肥満細胞腫の診断は、独立円形細胞の存在や、細胞質内に好塩基性の顆粒を持つ特徴的な細胞の確認によって行われます。ライト・ギムザ染色やトルイジンブルー染色といった特定の染色法がその診断に有用です。

特に、Patnaik分類のgrade II~IIIの腫瘍では、約25~30%の症例でc-kit遺伝子の変異が確認されます。腫瘍が進行すると、領域リンパ節転移や体腔内リンパ節・肝臓・脾臓への転移が観察されることがあります。ただし、肺転移は比較的少ないとされています。

腫瘍随伴症候群とその対処法🚨

肥満細胞腫からは、ヒスタミンやヘパリン、タンパク分解酵素、プロスタグランジンなどの物質が放出されることがあります。これにより、高ヒスタミン血症やダリエ徴候という症状が現れることがあります。特に、高ヒスタミン血症は胃酸の過剰分泌や低血圧性ショックの原因となる可能性があるため、注意が必要です。

ダリエ徴候には、紅班、浮腫、皮下出血、掻痒などの症状が含まれます。これらの症状が現れた場合、H・H₂ブロッカーの使用などの治療が考慮されます。

愛犬・愛猫の肥満細胞腫: 早期発見のポイントと治療方法🐾

ペットの健康は飼い主様にとっての最優先事項です。特に、犬や猫の「肥満細胞腫」は皮膚悪性腫瘍として非常に多い病気として知られています。😟

包皮や会陰部の肥満細胞腫は特に注意が必要です。遠隔転移や所属リンパ節への転移が起こりやすく、結果的に予後が不良とされています。しかし、皮下の肥満細胞腫は境界が明瞭で、リンパ節転移のリスクが低いため、挙動は比較的良好とされています。😌

重要なのは、この肥満細胞腫の早期発見と適切な治療です。マルチーズやシーズーのような犬種は予後が不良とされています。🔍

肥満細胞腫の画像

🐶肥満細胞腫とその転移に関する重要な情報🐱

肥満細胞腫の診断は専門的なものですが、わかりやすく説明します。術前FNAやエコー検査は、この病気の診断に一般的に使われます。3cm以上の範囲を確保できると、術前FNAだけでの診断も可能です😊。

転移が見つかった場合、それとともに原発巣も取り除く必要があります。腰下リンパ節への転移は、全身転移のリスクを高め、治療の難易度を上げる可能性があります😰。

犬や猫の肥満細胞腫が肺に転移することは少なく、胸部のX線検査で関連するリンパ節や縦隔を評価します。特に鼻先に病変がある場合、リンパ節への転移が多いとされています🔍。

エコー検査の感度は、脾臓で43%、肝臓では0%です。リンパ節からの転移が考えられる場合、脾臓や肝臓の検査とFNAが推奨されます👩‍⚕️。

肥満細胞腫のステージング画像

🔬肥満細胞腫の進行とステージングについて🐾

肥満細胞腫が進行すると、ペットのリンパ節や肝臓、脾臓に転移することがあります。これをしっかりと確認するための検査は非常に重要です🌟。

ステージングの際には、リンパ節の評価やX線検査、腹部の超音波検査、さらには血中の肥満細胞の数を調べることが必要です📊。

骨髄への転移は非常にまれですが、もし脾臓や肝臓に転移が確認された場合、20%のケースで骨髄転移のリスクも考慮する必要があります🩺。

肥満細胞腫の治療方法画像

🏥肥満細胞腫の治療方法と、どうして早期治療が大切なのか🤔

肥満細胞腫の治療は、転移の有無や病気の進行度によって異なります。検査を行い、最も効果的な治療法を選ぶことが大切です✨。

切除範囲とマージンについて📏

腫瘍の手術では、その大きさや悪性度に合わせて適切な切除範囲を選択します。異型性が強い場合や顔の部位に位置する腫瘍では、例えば顔の場合には下の骨膜も取り除くことで、安全なマージンを確保します。特にGrade1の腫瘍の場合は、縦横1cm、底部筋膜を切除することを推奨します。

腫瘍のGradeと適応治療🔍

腫瘍のGradeはその大きさや進行度によって決まります。Grade1では縦横1cm、底部筋膜を切除。Grade2では腫瘍サイズが3cm未満の場合、縦横2cmと底部筋膜を切除します。また、Grade3の場合、腫瘍サイズが3-5cmのとき、縦横3cmと底部筋膜を切除します。

遺伝子検査の可能性🧬

悪性度の高い腫瘍にはc-kitの変異が多く見られることが知られています。このような変異を持つ腫瘍は遺伝子検査が可能で、より適切な治療選択の手助けとなります。

ペットの飼い主へのアドバイス💡

ペットの健康を維持するためには、定期的な健康診断や、何か異常を感じた際の早期診断がとても重要です。当動物病院では、最新の医療情報や遺伝子検査を駆使して、最適な治療を提供しています。

ペットの腫瘍と治療についての重要情報🐾✨

動物病院を選択する際、飼い主の皆様が一番気になるのは、ペットの治療の安全性や効果です。私は動物病院を経営する獣医師として、飼い主の皆様に安心して治療を選んでいただけるような情報を提供します。

予後と再発について🔮

完全切除を行った場合でも、予後の予想は容易ではありません。再発のリスクは主に6ヶ月以内に集中しています。特筆すべきは皮下肥満細胞腫です。これは予後が良好とされ、境界が明瞭でリンパ節転移のリスクが低く、90%以上が良性の挙動を示すと言われています。

悪化因子と治療🚑

腫瘍の核分裂指数やその周囲の浸潤は、予後が悪くなる要因として知られています。完全切除を行ったとしても、腫瘍の再発リスクは残ります。特に、手術前にステロイドを使用することが、不完全切除のリスクを高めることが報告されています。

外科治療の詳細🩺

完全切除をしても、予後の確定は難しいものがあります。再発が起こるとすれば、大半は6ヶ月以内。ステージⅠ~Ⅲaまでの腫瘍や、グレード2 lowgradeのものは、外科治療での完治が期待されます。但し、術前にステロイドを使用すると不完全切除のリスクが24%上昇することが知られています。

皮下肥満細胞腫の特徴🔬

皮下の肥満細胞腫は、その挙動が良いとされています。境界が明瞭でリンパ節への転移リスクが低いため、低グレードのものは変異がほとんど見られません。この腫瘍は脂肪組織に包まれており、90%以上が完全切除後、良性の挙動を示します。

皮下肥満細胞腫の予後因子📊

核分裂指数が5以上のものは、再発のリスクが高まることが知られています。完全切除した場合の再発率は約5%、不完全切除の場合でも12%とされています。

ペットの病気と治療の適応について🐾

愛するペットの健康は飼い主様の最優先事項の一つです🐶🐱。私は動物病院を経営する獣医師として、様々な病気や治療に関する情報を持っています🩺。以下、ペットのリンパ節転移に関する重要な情報をわかりやすくご紹介します。

リンパ節転移の診断について🔍

外見上、正常に思えるリンパ節でも、実は中に問題が隠れていることがあります🧬。特に、肥満細胞腫のリンパ節転移率は細胞診により、30.9%とされています。また、腫瘍のグレードが高いほど、転移のリスクが増えることが知られています🔬。例えば、ステージ2の場合、転移の確率は50%とされています。

触診だけではわからない事がたくさん。実際、肥満細胞腫の転移を組織学的に確認したリンパ節の38~50%は、触診では正常でした。さらに、発生部位によっては、左右の領域リンパ節の評価も重要となります📋。

リンパ節転移と治療🏥

3cm以上の腫瘍がペットに発見された場合、センチネルリンパ節も外科的に摘出する必要が生じます✂️。腫瘍の切除後、化学療法を施行することで、愛犬や愛猫の長期生存の見込みが高まります🌈。ビンブラスチン、ロムスチン、プレドニゾンなどが治療選択として考慮されます。そして、局所リンパ節をルーチンで切除する方が良いと考えられています。

リンパ節切除と化学療法の効果🌟

リンパ節を切除し、化学療法を併用することで、ペットの長期生存率が向上します💪。特定の部位に発生する腫瘍によっては、特定のリンパ節への評価が必須となる場合があります。例えば、顔のMCTのケースでは、下顎リンパ節や内側咽頭後リンパ節の検査が不可欠です🌺。また、大腿部のケースでは、センチネルリンパが3箇所🌼鼠径/膝窩/内腸骨下リンパ節として評価されます。

パグの肥満細胞腫についての解説

愛されるパグ🐾。しかし、パグは肥満細胞腫の好発犬種として、特にレトリバー種や柴犬と並んで知られています。この病気は多発する傾向がありますが、多くは良性の挙動を示します🐕。

他の犬種とは異なり、パグの肥満細胞腫は猫のものと類似していることが特徴です。これは、広範囲の外科的マージンを必要としない可能性があることを意味しています。しかし、まれに高い悪性度を示す場合もあるので、常に注意が必要です。

パグの肥満細胞腫の予後因子

パグの肥満細胞腫における予後は、多くの場合非常に良好です。特にグレード1〜2の場合、90%以上の個体が2年以上生存します🌟。しかし、グレード3の場合、生存中央値は約182日となります。

予後を左右する要因として、腫瘍の大きさや核分裂指数が挙げられます。しかし、肥満細胞腫の発生個数自体は、予後と直接関係がないことが確認されています。多発することは多いですが、それが予後に大きな影響を及ぼすわけではありません。

犬種による肥満細胞腫の特性

特定の犬種は、肥満細胞腫の発生率が高いとされています。例えば、パグやボストン・テリアはその発生率が4-8倍も高いと言われています🐶。その他、レトリバー種や柴犬もこの腫瘍の好発犬種として知られています。

これらの犬種においては、広範な外科手術のマージンが必要とされないことが多いです。しかし、一部の犬種で悪性度が高くなる場合もあり、その際には十分な注意が必要です🚑。

肥満細胞腫と治療薬イマチニブについて🐾

イマチニブはペットの肥満細胞腫治療の第一選択として注目されています。この薬は2週間の使用で効果が見られ、特に犬の口唇肥満細胞腫などで使用されています。🐶

しかし、イマチニブの持続的な使用により、一部のペットでは薬への耐性が発現する可能性があります。そのため、適切な切り替えや併用治療が考慮されることが重要です。🏥

補助療法と注意点🌡

補助療法としてプレドニゾロンやジフェンヒドラミンなどが使用されることがあります。肥満細胞の脱顆粒を緩和します。しかし、イマチニブや他の薬との併用に際しては、互換性や副作用の確認が必須となります。📝

特にフィラリア薬ミルベマイシンとの併用時に呼吸促迫や悪心が報告(犬種;マルチーズ)されており、このような症状が見られた際は速やかに獣医師の診察を受けることをおすすめします。🚑

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