診察時間
午前9:00-12:00
午後15:00-18:00
手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
愛犬が膝蓋骨脱臼と診断されると、飼い主さんは不安になるかもしれません。特に小型犬に多い病気です。手術は治療の始まりであり、その後のリハビリテーションが愛犬の生活の質(QOL)を大きく左右します。適切なケアを行うことで、早期に健康な状態に戻すことができます。
手術後の管理は、時間経過によって段階的に進められます。
この時期は、愛犬がまだ動けない間に、手術した部分を保護します。寒冷療法を行います。これは、保冷剤を滅菌タオルで包んで患部に当てる方法です。こうすることで、手術による腫れや痛みを和らげ、炎症を抑えます。凍傷にならないように、愛犬の様子や皮膚の色をよく観察することが大切です。
手術した部分の熱感、腫れ、痛みが最も強くなる時期です。痛みと炎症の管理が非常に重要です。獣医さんは、フェンタニルや非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)を使い、痛みをコントロールします。寒冷療法やマッサージも痛みの緩和に役立ちます。感染を防ぐために、術創を清潔で乾いた状態に保ち、必要に応じて抗菌薬を使います。
この時期は、傷口の管理、適度な運動制限、そして患肢に体重をかけられるかどうかの確認が重要です。傷口を舐めないように、愛犬に合った大きさのエリザベスカラーをつけます。全く動かさないと、筋肉がやせたり(廃用性筋萎縮)、関節が硬くなったりしてしまいます。そのため、ゆっくりと歩かせる「引き綱運動」を5~10分程度行うことが推奨されます。患肢に体重をかけるのを嫌がる場合は、痛みが原因かもしれません。廃用性筋萎縮や関節の硬化を防ぐため、起立補助運動や受動的関節可動域(PROM)運動を行います。PROM運動は、飼い主さんが愛犬の関節をやさしく動かしてあげる運動です。
この頃には退院するケースが多いです。退院後は、自宅での運動管理と定期的な通院で経過をチェックします。骨の癒合が確認できれば、運動制限が解除され、より積極的なリハビリテーションが可能になります。
愛犬の状態に合わせて、さまざまなリハビリテーションを組み合わせて行います。
リハビリテーションを始める前に、関節の動く範囲(関節可動域)、筋肉量、歩き方(歩様)、痛みの程度を評価します。関節可動域は、ゴニオメーターという器具で測定します。術後に関節がどれくらい動くようになったかを知るために重要です。
寒冷療法は急性期の痛みや腫れに有効です。温熱療法は、血流を良くして筋肉を緩める効果があり、慢性的な痛みに有効です。急性期が過ぎた後、PROM運動の前に行うと効果的です。
筋肉の緊張をほぐし、血流を良くすることで、痛みの悪循環を断ち切る目的で行います。術後の愛犬は、患肢をかばうために全身の筋肉が緊張していることが多いので、全身をマッサージしてあげるとリラックスできます。
スリングやタオルなどで体を支えながら、正しい姿勢で立つ練習をします。慣れてきたら、患肢と反対側のお尻を優しく押して、患肢に体重を移動させる「ウェイトシフティング」を行います。
PROM運動:飼い主さんが愛犬の足を動かして、関節をゆっくりと曲げ伸ばしします。
AROM運動:愛犬自身の力で関節を動かす運動です。お座りから立つ動作を繰り返す「Sit-to-Stand運動」や、障害物をまたいで歩く「キャバレッティ・レール」などが含まれます。
水中では浮力が働くため、患肢への負担が少なくなります。関節に無理な負担をかけずに歩く練習ができ、関節可動域の維持・改善にも役立ちます。
リハビリテーションは、愛犬を元の生活に戻すための大切なプロセスです。愛犬に合った無理のないプログラムを、獣医さんと一緒に考えて、リハビリテーションを進めていきましょう。
正確な診断と手術が、リハビリテーションを成功させるために最も重要です。不適切なリハビリテーションは、愛犬に苦痛を与える可能性もあるため、専門の知識を持った獣医さんの指示に従って行うことが大切です。
※本記事は、一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。必ずかかりつけの獣医にご相談ください。