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永久気管切開🌸呼吸困難の腫瘍の治療🌸

永久気管切開

上部気道に閉塞性病変(腫瘍など)がある時、鼻や口からの呼吸が困難になります。
吸気時に努力呼吸が続くことで、気胸(肺が破けたり)になったり、心臓や血管に圧力がかかることで、胸水になったりするため、更なる呼吸困難状態に陥ることがあります。
開口呼吸が続くことで、食事を摂る際に窒息症状になるため、衰弱する子もいます。

永久気管切開は
のどより下に気管の開口部を作り呼吸を改善させる緩和的治療の手術です。

surgeonより転載

 

 

麻酔導入時
通常、口から気管に気道のチューブを通して人口呼吸管理を行いますが、気管チューブが入らない時は頸部の気管切開部分から気管チューブを挿入します。

①呼吸停止するリスク
②気管の真横には半回神経、迷走交換神経
通常切開するのは腹側1/3部分なので傷つけることはめったにないですが、傷つけた場合、
眼の大小不動、嚥下障害、呼吸困難のリスク

 

Veterinary anatomyより転載

③気道分泌液による閉塞
粘液や膿により切開部位が、術後に閉塞することがあるため、傷が癒合する。
14日~1カ月間まで、1日2回以上の分泌物の除去、軟膏の塗布が必要になります。

気管の開口部を生理食塩水で濡らした綿棒で優しく拭い、瘡蓋や滲出液を除去します。
その後、抗生物質の軟膏を綿棒で気管切開部分に塗布します。

④長く呼吸器症状を呈していた症例では、多剤耐性菌を有していることがあり、一般の抗生剤が効かない可能性があるため
→感受性検査の上、適切な抗生剤を選択
感受性検査には1週間かかります。

⑤閉塞物が悪性腫瘍だった場合、徐々にごはんを食べられなくなったり、衰弱する可能性があるため、楽にごはんを摂取できるルート、食道チューブの設置を推奨しています。
気付かないように給餌、投薬が可能で、いらなくなったらすぐ取れます。

 

⑥気管を切開した子は声がかすれることがあります。

松戸 新松戸 さだひろ動物病院