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“犬と猫の尿路感染症:無症候性細菌尿から再発性膀胱炎まで”

無症候性細菌尿について

無症候性細菌尿とは、症状を伴わない状態での細菌尿を指します。健康な犬では2-12%、病気の犬では15-74%、健康な高齢猫では1-13%の発生率があります。特に、糖尿病、肥満、パルボウイルス感染症、急性の脊髄障害(IVDD)、麻痺、シクロスポリンやステロイド投与などがある犬で見られます。

無症候性細菌尿は基本的に治療は推奨されませんが、膀胱炎が症状の原因であるかが明らかでない場合、3-5日間の抗菌薬の投与が考慮されます。

散発性細菌性膀胱炎とその治療について

散発性細菌性膀胱炎は一過性の膀胱炎で、痛みを和らげるために鎮痛薬が使われます。尿の培養結果を待つ間に、犬に対しては抗菌薬の初期投与が推奨されます。しかし、3-4日後に症状が持続または悪化した場合は、さらに抗菌薬を追加します。

一方、猫では抗菌薬の初期投与は控えることが推奨されています。この治療法の変更点は、まず尿培養を取り、その結果に基づいて治療法を進めることです。

サルファ剤とそのアレルギー反応について

サルファ剤(ST合剤)は広範囲に作用する抗菌薬で、尿路感染症の治療に用いられますが、一部の犬(特にドーベルマンやブラックタン系)ではアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

これらの反応は通常、抗菌薬の投与開始から平均12日後に発症し、発熱、血小板減少症、急性肝障害などの症状が見られます。そのため、サルファ剤の使用は慎重に行われ、アレルギー反応の症状が見られた場合は速やかに治療が開始されます。

再発性細菌性膀胱炎とその治療について

再発性細菌性膀胱炎は複雑な問題で、適切な治療と管理が必要となります。まず、可能であれば尿培養結果を待つことが推奨されています。重症の症状がある場合は未使用の抗菌薬を投与することが適切です。

基礎疾患(糖尿病など)が存在する場合でも抗菌薬の長期投与は適さないとされています。そのため、根本的な原因を探し、それを治療することが再発の防止に役立ちます。