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犬猫の排尿障害:症状・原因から治療・予防まで徹底解説
飼い主向け:犬猫の排尿障害の基礎知識
このページでは、犬や猫の排尿障害について、その症状、考えられる原因疾患、そして各疾患ごとの治療法や家庭でのケア、予防策をわかりやすく解説します。
大切なおしっこトラブル、早期発見・早期対処が鍵です!
排尿障害とは、ペットが正常におしっこをできない状態の総称です。具体的には、おしっこが出にくい、出せない、あるいは漏れてしまうといった問題を含みます。主な症状として、以下のようなサインが見られることがあります。
こうした症状が見られたら、何らかの泌尿器のトラブルが起きている可能性があります。特にオス猫で尿が全く出なくなる尿道閉塞は緊急事態であり、早急な処置が必要です。
一方で、おしっこが少しずつしか出ない、あるいは頻繁にトイレに行くといった症状も放置せず、原因を特定して適切に対処することが大切です。
犬や猫の排尿障害にはさまざまな原因があります。ここでは、代表的な原因となる以下の疾患について解説します。それぞれの疾患ごとに、どのような状態か(病態)、診断方法、治療法、予後(治りやすさや再発の可能性)、そして家庭でのケア・予防策を順に説明します。
どんな病気?
膀胱アトニーとは、膀胱の筋肉(排尿筋)がうまく収縮できなくなった状態です。その結果、尿が膀胱内に溜まってしまい、自力では排尿できなくなります。原因としては大きく2つに分けられます。
一つは神経の障害によるものです。たとえば、脊髄の損傷や神経疾患により膀胱への神経信号が途絶えると、尿を押し出す力がなくなります。
もう一つは過度の膀胱拡張です。尿道の閉塞(例:結石による詰まり)などで長時間尿が出せないと膀胱が極端に伸展し、筋肉がダメージを受けて収縮しにくくなります。
このように膀胱自体は尿でパンパンなのに収縮できず尿閉(尿が出せない状態)になるのが膀胱アトニーです。
症状と診断
膀胱アトニーになると、トイレに行くのに出ない(出てもごく少量)といった様子を見せたり、逆に尿がポタポタ垂れ流れる(溢流性失禁)ことがあります。お腹を触ると風船のように膨れた膀胱が感じられるでしょう。
動物病院では、まず膀胱に尿が溜まっているか触診や超音波検査で確認します。尿道の閉塞がないかカテーテル(細い管)を挿入してみて通れば、機械的な詰まりではなく膀胱の収縮不全が疑われます。併発して尿路感染が起きていないか尿検査も行います。原因が神経障害と疑われる場合は、背骨のレントゲンや神経学的検査も行って評価します。
治療法
膀胱アトニーでは、まず膀胱に溜まった尿を定期的に排出してあげることが重要です。カテーテルで1日数回尿を抜くか、飼い主さんが獣医師の指導の下で膀胱を手で圧迫して出す方法(圧迫排尿)を行います。膀胱を常に小さく保つことで筋肉への負担を減らし、回復を促します。
併せて薬物療法も用います。膀胱の収縮を刺激する目的でコリン作動薬のベサコリン(ベサネコール)を使うことがあります。一方で尿道の抵抗を下げるために、必要に応じてα遮断薬(プラゾシンなど)で尿道括約筋を緩めます。これにより「膀胱は収縮しやすく、出口は開きやすく」して尿が出る手助けをします。
ただし、膀胱収縮薬は効果が限定的な場合があり、下痢などの副作用が出ることもあるため、使用の目的と期間は獣医師とよく相談して決めます。根本原因が脊髄損傷などの場合、その治療(外科的減圧や内科治療、リハビリなど)も同時に検討されます。
予後(治りやすさ)
予後は原因と重症度によります。一時的な尿道閉塞による膀胱過伸展が原因の場合、数日~数週間のカテーテル管理と薬で回復する可能性があります。しかし神経の損傷が原因の場合、神経機能が回復しない限り排尿障害は続きます。完全に神経麻痺が残ったケースでは、生涯にわたりカテーテルや圧迫排尿で管理する必要があります。それでも、適切に管理すれば腎臓への負担を抑えながら生活の質(QOL)を維持することは可能です。
家庭でのケアと予防
飼い主さんは獣医師の指導のもと、定期的な膀胱の圧迫排尿を習得すると良いでしょう。清潔な環境でカテーテル管理や圧迫排尿を行い、尿路感染を防ぐことも大切です。おむつや防水シートを利用して生活環境を整えることも検討してください。
予防という点では、尿道閉塞(結石など)の放置をしないことが重要です。おしっこが出にくいと感じたら早めに受診し、膀胱が極端に膨らむ前に対処することで、アトニーへの移行を防げる可能性があります。また、椎間板ヘルニアなど神経疾患の早期治療や、術後のリハビリによって神経機能の温存に努めることも、将来的な排尿障害のリスク低減につながります。
どんな病気?
猫の下部尿路疾患(FLUTD, Feline Lower Urinary Tract Disease)とは、猫における膀胱および尿道のトラブル全般を指す総称です。特定の病名ではなく、下部尿路の症状を引き起こす様々な状態をまとめた呼び方です。
若い成猫では特発性膀胱炎(原因不明のストレス性膀胱炎)が最も多く、他に尿石症(尿路結石)や尿道栓子(尿道に詰まる結晶や粘液の塊)、細菌性膀胱炎(若年猫ではまれ)や腫瘍などが含まれます。
FLUTDは再発しやすく慢性的になりがちですが、多くの場合命に直結するものではありません。ただしオス猫で尿道閉塞(おしっこの完全な詰まり)を起こすケースは緊急対応が必要です。
症状と診断
FLUTDの典型的な症状は次のようなものです。
これらの症状がある猫ちゃんは、まず尿検査と画像診断を行います。尿検査では結晶の有無、潜血反応、細菌培養などを調べ、結石や感染の手がかりを探します。若い猫で細菌は検出されず結晶もわずかという場合、ストレスなどが関与する特発性膀胱炎が疑われます。
超音波検査やレントゲン検査では、膀胱結石や尿道栓子、腫瘍の有無を確認します。尿道が詰まっていないかは触診やカテーテルで確認し、詰まっている場合は緊急にカテーテルで解除します。基本的にFLUTDは「命に関わる他の病気(尿路結石による閉塞や腫瘍など)を除外して診断する」ことが重要になります。
治療法
FLUTDの治療は原因によって異なります。大まかに分けると次のとおりです。
予後(治りやすさ)
特発性膀胱炎は慢性的に再発する場合があります。一度良くなってもストレスがきっかけで再び症状が出ることが多く、生涯管理が必要なケースもあります。ただし命に関わる病気ではなく、適切にケアすれば日常生活を快適に送れます。
一方で尿道閉塞を何度も起こす猫では、再発のたびに命の危険が伴うため、根治的措置として尿道改造手術(陰茎切除を伴う会陰部尿道瘻造設術)を行うことがあります。これにより尿道の狭い部分を取り除き、尿道径を広げて再閉塞を防ぎます。結石症の場合は結石除去後は予後良好ですが、再発しやすいので管理が必要です。
家庭でのケアと予防
再発予防には生活環境の見直しが重要です。特発性膀胱炎ではストレスの軽減が最も有効な対策です。具体的には次のポイントが挙げられます。
これらの多角的な環境調整(マルチモーダル環境エンリッチメント)が、特発性膀胱炎の再発頻度を減らす第一の治療とされています。慢性化する場合には、獣医師と相談の上で抗不安薬などを検討することもありますが、薬は補助的な位置づけで、環境・生活改善が主役です。
普段から排尿パターンに注意を払い、異常を感じたら早めに動物病院で相談することが大切です。
どんな病気?
尿路結石症とは、尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)のいずれかに結石(尿のミネラルが固まった石)ができる病気です。犬猫ともに比較的よく見られます。
結石には種類がいくつかあり、犬ではストルバイトとシュウ酸カルシウムが多く、猫でもこの2種類で大部分を占めます。他に尿酸塩(特定犬種で素因)、シスチン結石(まれな先天代謝異常)、ケイ酸塩などがあります。
結石が膀胱内に留まっている場合は膀胱結石、尿道に詰まれば尿道結石(尿道閉塞の原因)、腎臓や尿管にできると上部尿路結石となり、尿路感染や水腎症の原因になります。
犬ではメスは膀胱結石が多く、オスは尿道に嵌頓して閉塞を起こすことが問題となります。猫ではオス・メスともに膀胱結石ができますが、オス猫は細い尿道に詰まりやすい点に注意が必要です。
症状と診断
膀胱や尿道に結石がある場合、症状は膀胱炎と似ています。頻尿、血尿、排尿痛(いきむ)などが典型です。小さいうちは症状が出ないこともありますが、慢性的に粘膜を刺激していると膀胱炎症状が現れます。尿道に石が詰まると尿道閉塞を起こし、急におしっこが出なくなってしまいます(命に関わる緊急状態です)。
診断には画像検査が非常に有用です。レントゲンでは多くの結石が白く写ります。写りにくい種類もありますが、超音波検査であればほとんど全ての結石を描出できます。尿検査では結晶が確認できることがありますが、結晶があっても必ず結石があるとは限らず、結石があっても結晶が出ない場合もあります。確定診断と種類判別には、摘出または排出された結石を分析することが重要です。
治療法
治療は結石の種類と位置によって変わります。主な選択肢は次のとおりです。
尿路結石による尿道閉塞は救急処置が必要です。まず閉塞解除(カテーテル通過など)を行い、その後に根本治療を計画します。摘出した結石は成分分析に出し、再発予防の方針決定に役立てます。
予後(治りやすさ)
結石を取り除けば症状は大きく改善し、短期的な予後は良好です。ただし尿路結石症は再発が多い病気でもあります。結石の種類によって再発率は異なり、シュウ酸カルシウム結石では再発するケースが少なくありません。ストルバイト結石(犬)では尿路感染のコントロールが重要で、適切な抗菌治療と食事管理で再発を防げる場合もあります。慢性化すると膀胱の炎症が長引くため、長期管理が大切です。
家庭でのケアと予防
予防の中心は食事と水分摂取管理です。獣医師に指示された療法食を継続し、飲水量を増やして「よく出す」状態を作ることが基本です。必要に応じてウェットフードを活用したり、フードをふやかすなど工夫します。
犬でストルバイト結石を繰り返す場合は、尿路感染のコントロールが重要です。膀胱炎症状がなくても定期的な尿培養検査で確認し、菌がいれば治療することで再形成を防ぎます。素因のある犬種では、食事の工夫や必要に応じた内科管理で再発リスクを下げます。日々、トイレ回数・姿勢・尿の色を観察し、いつもと違う様子があれば早めに検査を受けることが再発防止につながります。
どんな病気?
尿道狭窄とは、尿道の一部が細く狭まってしまう状態です。瘢痕化(傷跡組織の形成)などで管腔が狭小化し、尿が通りにくくなります。原因として多いのは外傷や炎症の後遺症です。
例えば、尿道カテーテル処置の反復、結石や結晶による粘膜損傷の後に瘢痕が形成され、狭窄を起こすことがあります。オス猫では尿道閉塞とカテーテル処置の反復で狭窄が起こることがあります。会陰部尿道瘻の術後に手術部位が狭窄することもあります。犬では骨盤骨折などの外傷、慢性の尿路感染や結石刺激、炎症性の増殖性病変が原因になることがあります。
症状と診断
尿の勢いが弱い、排尿に時間がかかる、ポタポタとしか出ない、頻繁にトイレに行くが一度に出る量が少ない、といった症状が見られます。二次的に膀胱炎や尿路感染を起こしやすく、血尿や尿混濁、悪臭を伴うこともあります。
診断には造影検査が有用です。尿道に造影剤を注入してレントゲン撮影を行う逆行性尿道造影で、狭窄部位や程度を評価します。設備のある施設では尿道内視鏡で直接観察し、狭窄の長さや粘膜状態を確認することもあります。併発感染を調べる尿培養検査も重要です。
治療法
治療法は原因(炎症性・外傷性・腫瘍性)、部位、範囲、全身状態により使い分けます。治療前には飼い主さんと獣医師で十分に話し合い、ペットにとって最適な方法を検討します。
予後(治りやすさ)
軽度なら拡張術を繰り返しながら維持できることもありますが、頻繁な処置が必要になる場合もあります。根治手術が成功すれば良好ですが、再狭窄の可能性は残ります。ステント留置でも長期間良好な排尿を維持できることがありますが、長期的には閉塞や位置変化などの問題が起こることがあります。原因が進行性(腫瘍など)の場合は、そちらの予後に左右されます。
家庭でのケアと予防
家庭では排尿状況(日々の尿量、排尿姿勢、回数、尿の色やにおい)を記録し、変化があれば早めに受診しましょう。カテーテル留置や排尿補助が必要な場合は、感染予防のため清潔管理を徹底します。
予防としては、尿道にダメージを与える状況(閉塞の放置、結晶・結石の慢性刺激)を作らないことが大切です。尿路結石の再発予防(食事・飲水管理)も、間接的に尿道狭窄リスクの低減につながります。オス猫で閉塞を繰り返す場合、早めに根本治療(尿道瘻手術)を検討することが、将来的な尿道ダメージの蓄積を防ぐ一助になります。
どんな病気?
前立腺膿瘍とは、前立腺内に膿が溜まった膿胞(膿の袋)が形成される病態です。主にオス犬で見られ、特に中高齢の未去勢犬に多発します。
高齢の未去勢犬ではテストステロンの影響で前立腺肥大(良性前立腺過形成)が起こりがちで、そこに細菌感染が加わると前立腺炎となり、組織が壊死・融解して膿が溜まると膿瘍化します。前立腺内の嚢胞が感染して膿瘍になることもあります。原因菌は大腸菌など尿路から上行してくる菌が多いです。
前立腺膿瘍が破裂すると腹腔内に膿が漏れて腹膜炎を引き起こし、非常に危険です。
症状と診断
排尿困難や頻尿、血尿など下部尿路症状に加え、発熱、元気消失、食欲不振、嘔吐など感染による全身症状が現れることがあります。前立腺が大きく腫れるため直腸を圧迫して排便困難(便が細い・出にくい)も起こります。
腹部触診や直腸検査で前立腺の腫大と疼痛が確認されることがあります。確定診断には超音波検査が極めて有用で、前立腺内に不均一な液体構造が認められます。血液検査では白血球増加や炎症反応(CRP上昇)が見られます。尿培養や前立腺関連の培養検査を行うこともありますが、膿瘍疑いで無理な採取は破裂リスクがあるため慎重に判断します。
治療法
治療は外科的ドレナージ(排膿)と抗菌薬療法の組み合わせが標準です。膿瘍が小さく全身状態が安定している場合は、超音波ガイド下で針を刺して膿を吸引し洗浄する経皮的ドレナージが検討されることもありますが、多くは針吸引だけでは不十分です。
そのため、開腹手術で前立腺を切開または部分切除して内部を洗浄し、大網(おおあみ)を充填する大網充填術(オメンタライゼーション)を行う方法が一般的です。術後にドレーンを設置して排液を確保することもあります。
また、再発予防のため去勢手術を同時に行うことが多いです。ホルモンによる前立腺肥大を抑え、前立腺の縮小と再感染予防につながります。
抗生物質は培養感受性結果に基づいて選択し、前立腺に移行しやすい薬が選ばれます。培養結果が出るまでの間も、原因として多い菌を想定して治療を開始します。治療期間は長めで、少なくとも数週間単位での投与が必要になることがあります。重症例では敗血症性ショックに至ることもあるため、集中治療が必要になる場合があります。完治が確認できるまでは、超音波で経過を追います。
予後(治りやすさ)
早期に外科的排膿と抗生剤投与が行われれば、多くの場合で回復が見込めます。ただし、発見が遅れて膿瘍が破裂し腹膜炎を起こした場合や、敗血症に至った場合は命に関わる重篤な状態となります。未去勢のままだと再感染・再膿瘍化のリスクが高くなりますが、去勢により前立腺が萎縮し再発は起こりにくくなります。退院後もしばらくは定期検診と超音波検査、尿検査で感染の残存がないかを確認します。
家庭でのケアと予防
治療後は、自宅での投薬(抗生物質や消炎鎮痛剤)を指示通りに続けることが重要です。抗生剤は途中でやめず、決められた期間を守り切ってください。排便がつらい子では、食物繊維の調整や便を柔らかくする工夫が必要になることもあります。
予防という観点では、未去勢の中高齢オス犬では去勢により前立腺の肥大を抑え、感染や膿瘍化のリスクを下げられる場合があります。また、尿路感染を放置しないこと、排尿や排便の異常(頻尿・血尿・便が細い/出にくい・発熱・元気低下など)に早く気づいて受診することが大切です。前立腺疾患は「なんとなく元気がない」「排便がしづらい」など、泌尿器以外のサインとして出ることもあるため、気になる変化が続くときは早めに相談しましょう。
どんな病気?
膀胱腫瘍の中で、犬に多い代表が移行上皮癌です。膀胱の粘膜から発生する悪性腫瘍で、膀胱の出口(膀胱三角部)付近にできることが多く、尿道の通り道を狭めて排尿障害の原因になります。進行すると尿道閉塞、腎臓への負担、出血、感染などを引き起こし、生活の質に影響します。
症状と診断
症状は膀胱炎と似ており、頻尿、血尿、排尿痛、尿の出が悪いなどが見られます。抗生物質で一時的に良くなったように見えても、再発を繰り返すケースでは腫瘍を疑う必要があります。
診断には超音波検査やレントゲン検査が用いられ、膀胱壁の肥厚や腫瘤、尿道の狭窄が確認されることがあります。尿検査では血尿や炎症所見が出ますが、感染の有無の確認も重要です。確定診断には細胞診や組織検査が必要になる場合がありますが、腫瘍の位置や状態により検査方法は獣医師が安全性も含めて判断します。
治療法
治療は、腫瘍の位置・広がり・全身状態により組み合わせて行います。外科切除が可能な位置に限局している場合は手術を検討しますが、膀胱三角部にできることが多いため、完全切除が難しいケースも少なくありません。
その場合、抗腫瘍薬(内科治療)や、痛みや炎症を抑える治療、尿道の通りを確保する処置(カテーテル管理、場合によりステントなど)が検討されます。尿路感染を併発している場合は適切な抗菌治療も行います。目標は「腫瘍の進行を抑えつつ、排尿を保ち、痛みや不快感を減らして生活の質を守ること」です。
予後(治りやすさ)
予後は腫瘍の悪性度、位置、転移の有無、尿道閉塞の程度などに左右されます。早期に見つかり、排尿を保てる状態を維持できれば、治療を続けながら生活の質を保てる期間が期待できます。一方で排尿路が閉塞すると緊急対応が必要になるため、日々の排尿の観察が非常に重要です。
家庭でのケアと予防
血尿や頻尿が続く、治療しても膀胱炎が再発する、尿の出が細くなってきた、などの変化があれば早めに再検査を受けてください。飲水量を増やして尿を出しやすくする工夫や、処方食の継続、感染管理は腫瘍そのものの予防ではなくても、排尿トラブルを減らし生活の質を守る上で役立ちます。治療中は、排尿回数・尿の色・食欲・元気を記録しておくと受診時の判断材料になります。
次のような状態は緊急性が高い可能性があります。迷わず早めに動物病院へ連絡してください。
・尿が全く出ない/トイレで強くいきむのに出ない
・ぐったりしている、嘔吐がある、食欲がない(特にオス猫の閉塞が疑われるとき)
・お腹が張って痛がる、触ると怒る
・血尿が続く、尿が強く濁る、発熱がある
排尿障害は「よくある膀胱炎」から「命に関わる尿道閉塞」まで幅広く、原因によって治療も予後も大きく変わります。特に、尿が出ない・出にくい状態は放置しないことが最重要です。
日頃から、トイレ回数、尿の量、色、におい、いきみの有無を観察し、異常を感じたら早めに受診しましょう。適切な検査で原因を特定し、治療と生活改善を組み合わせることで、多くの子は快適な日常を取り戻せます。