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猫の去勢手術~当院が「糸を使わない手術」を選ぶ理由~

こんにちは。今回は、男の子の猫ちゃんの「去勢手術」について、少し踏み込んだ医学的なお話をしたいと思います。

「去勢手術」は、動物病院で最も日常的に行われる手術の一つです。しかし、健康な体にメスを入れる以上「簡単な手術」というものは存在しません。当院では、大切なご家族を安全に、そしてできるだけストレスなくお返しするため、術式や痛みの管理、術後のケアまで細心の注意を払っています。

今回は、手術に最適な時期や、当院が採用している「糸を使わない去勢手術(精管と血管を結紮する方法)」について、具体的なメリットや当院こだわりの工夫も含めて詳しく解説します。

去勢手術の目的と、当院が「生後6ヶ月」をおすすめする理由

去勢手術の主な目的は望まない交配を避けることですが、医学的・行動学的なメリットも大きく、以下のような効果が期待できます。

  • 行動のコントロール:スプレー行為(マーキング)や、発情期の大きな鳴き声、同居猫との闘争などを予防・軽減します。
  • 病気の予防:将来的な精巣腫瘍などのリスクをなくします。
  • ストレスの軽減:発情期の「交尾できないストレス」から解放され、穏やかに過ごせるようになります。

手術のタイミングは「生後6ヶ月」が目安

問題行動が習慣化する前に行うのが理想的ですが、当院では「生後6ヶ月」での手術を推奨しています。一般的には生後半年未満で行うケースもありますが、当院が6ヶ月をおすすめする最大の理由は「麻酔の安全性」です。生後6ヶ月を迎える頃には内臓器官がしっかりと成長し、麻酔薬を安全に代謝できる体力が備わります。当院では、何よりも猫ちゃんの安全を第一に考え、この時期をご案内しています。

当院の手術方式「糸を使わない精管結紮法」とは?

去勢手術で精巣を摘出する際、出血を止めるために血管を縛る(結紮する)必要があります。一般的な手術では「縫合糸」を使いますが、当院では「糸を一切体内に残さない方法」を採用しています。具体的には、精巣につながる「輸精管(精子を運ぶ管)」と「精巣動静脈(血管)」を分離し、猫ちゃん自身の組織同士を外科結びで結び合わせるという手技です。

  • 体内に「異物」を残さない圧倒的な安心感
    最大のメリットは、体内に縫合糸が残らないことです。動物医療で使われる糸は安全基準を満たしたものですが、稀に猫ちゃんの体質によって、糸を「異物」とみなしてアレルギー反応や重度な炎症を起こすリスクがゼロではありません。ご自身の組織同士を結び合わせるこの方法であれば、糸に対する拒絶反応のリスクを根本からなくすことができます。
  • 当院のこだわり:より確実な「5回結紮」と術前検査
    この術式は非常に細い管と血管を扱うため、繊細な技術が要求されます。一般的には3回結ぶことが多い手技ですが、当院ではより確実な止血と安全性を追求し、「5回」しっかりと結紮しています。また、当院では事前の検査を徹底しています。術前の血液検査などを実施して健康状態をしっかり確認し、万全の体制で手術に臨んでいます。

「傷口を縫わない」のには理由があります

去勢手術についてお話しすると、「傷口は縫うんですか?」とよく聞かれます。実は、猫ちゃんの去勢手術では、精巣を取り出した後の陰嚢(精巣が入っていた袋)の傷口はあえて縫合せず、自然に塞がるのを待つ「二期癒合(にきゆごう)」という方法をとります。

もし傷口を完全に塞いでしまうと、術後に内部でわずかな出血や浸出液が出た場合、逃げ場がなくなり陰嚢内に血が溜まってパンパンに腫れ上がる合併症を起こすリスクが高まります。傷を少し開けたままにしておくことで、液が外に排出されやすく、結果的に腫れや痛みを抑えて綺麗に治癒するのです。

日帰り手術と、術後のストレス軽減について

当院の去勢手術は、基本的に「日帰り」で行っております。朝お預かりして、夕方にはお迎えに来ていただけます。

  • エリザベスカラーは基本的に不要です
    「術後はあのラッパみたいなカラーをずっと着けるの?」と心配される方も多いですが、ご安心ください。術後の傷口を気にする子は実は少なく、ほとんどの猫ちゃんはエリザベスカラーなしで、そのままの状態でお返ししています。ただし、毛刈りをした部分などがどうしても気になって舐めてしまう子には、当院でカラーの貸し出しも行っておりますので、その子の性格に合わせて柔軟に対応いたします。
  • 術後の「肥満」にはご注意を!
    手術が無事に終わり、お家でリラックスして過ごせるようになったら、一つだけ気をつけていただきたいのが「術後の肥満」です。去勢手術後はホルモンバランスが変化し、非常に太りやすくなります。医学的にも「術後は20%程度のカロリー制限が有効」とされているほどです。「今までと同じ量」のご飯を与え続けるとあっという間に太ってしまうため、術後はお早めに「去勢・避妊後用」のフードへの切り替えをお願いしています。

去勢手術は基本的に「健康な動物に実施する手術」です。だからこそ、私たちは過度な安心を持たず、術前検査から麻酔、こだわりの術式、そして日帰りでのお返しに至るまで、猫ちゃんとご家族の負担を最小限にするための努力を続けています。

「うちの子はそろそろ手術の時期かな?」「痛がらないか不安で…」など、少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽に当院の獣医師やスタッフまでご相談ください。

Summary

[English]
Our clinic performs cat castration surgeries focusing on safety and minimizing stress. We recommend surgery at 6 months of age, prioritizing anesthesia safety as the kitten’s internal organs are fully developed. We adopt a “sutureless” vasectomy technique, tying the cat’s own tissues (vas deferens and blood vessels) 5 times to prevent bleeding and eliminate the risk of foreign-body rejection. The surgical incision is intentionally left unstitched to allow natural healing and prevent complications. The procedure is a day surgery, and in most cases, an Elizabethan collar is not required. Please consult us anytime if you have concerns.

[中文]
本院的猫咪绝育手术注重安全并最大程度地减少猫咪的压力。为了麻醉的安全,我们建议在猫咪6个月大、内脏器官发育完全时进行手术。我们采用“无缝线”结扎法,将猫咪自身的组织(输精管和血管)打结5次以防止出血,从而彻底消除对异物排斥的风险。手术切口故意不缝合,让其自然愈合,以防止并发症。该手术为日间手术,通常不需要佩戴伊丽莎白圈。如果您有任何疑问,请随时与我们联系。