診察時間
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手術時間12:00-15:00
水曜・日曜午後休診
大切な猫ちゃんが何かを飲み込んでしまったかもしれない時、飼い主様はとても心配になりますよね。ここでは、獣医師がどのような考え方で診断や治療を進めていくのか、その基準となっているガイドラインの内容と、最近の新しい情報を合わせて詳しくご説明します。
【重要】
この説明は、あくまで一般的な知識をご提供するものです。実際の診断や治療は、猫ちゃんそれぞれの状態によって全く異なりますので、必ずかかりつけの動物病院の先生にご相談ください。
猫は犬に比べて誤飲は少ないですが、遊んでいるうちに糸や裁縫針、釣り針などを飲み込んでしまう事故が報告されています。猫特有のものとして、毛づくろいでなめた毛が胃や腸の中で固まって「毛球」となり、異物として詰まってしまうこともあります。
胃の中に異物があると、胃の出口を塞いだり、胃の粘膜を傷つけて胃炎を起こしたりします。症状は、全く無症状な子から、しつこい嘔吐を繰り返す子まで様々です。
異物が胃を通り抜けて小腸に移動すると、そこで詰まってしまう(腸閉塞)ことがあります。こうなると、しつこい嘔吐、食欲不振、ぐったりする、お腹を痛がるなど、胃にある時よりも重い症状が出ることが多いです。
特に「ひも状異物」は、腸に引っかかってアコーディオンのように腸をたぐり寄せてしまい、最悪の場合、腸に穴を開けてしまう危険な状態です。
飼い主様からの「これを飲み込んだかもしれない」というお話が、診断の何よりの手がかりになります。もし誤飲の心当たりがない場合、診断はとても難しくなります。
方針1:吐かせる処置(催吐処置)
飲み込んだばかりで、かつ先の尖っていない安全なものであれば、お薬を使って吐かせる処置を試みることがあります。麻酔をかけずに意識がある状態で行えるのがメリットです。
使うお薬と量:
注意点: 竹串や針など、食道を傷つける危険があるものは絶対に吐かせません。すでに何度も吐いている子はこの処置を行わないことが多いです。お薬を使っても吐かない場合もあります。
方針2:胃カメラで取る(内視鏡)
全身麻酔をかけて、口から胃カメラを入れ、マジックハンドのような器具(鉗子)で異物をつかんで取り出す方法です。お腹を切らなくて済む、体への負担が少ない方法で、手術の前にまず検討されます。
条件: 胃の中が空っぽの状態がベストです。食べ物がたくさんあると、その中に異物が紛れて見つけられない可能性があるためです。
注意点: ひも状の異物が胃から腸へ流れてしまっている場合、無理に引っ張ると腸に穴が開く危険があるため、絶対に引っ張りません。異物が胃カメラの届かない小腸の奥まで行ってしまっている場合は、この方法では取れません。
方針3:手術で取る(外科的切開術)
上記の方法で取り出せない場合や、最初から危険だと判断される場合に選択される、確実な方法です。
胃炎が起きている場合、胃の粘膜を守ったり、胃酸を抑えたりするお薬を使います。
上記のガイドラインは今も基本ですが、いくつかの点で新しい考え方が出てきています。
なぜ?
麻酔から覚めて吐き気がなければ、術後4~12時間以内に少量の食事を与えることが推奨されています。早く栄養を摂ることで、腸の細胞が元気になり、腸の動きが活発になります。その結果、腸の治りが早くなり、入院期間も短くなると考えられています。逆に、絶食期間が長いと腸の粘膜が弱ってしまうというデメリットも指摘されています。