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発熱🤒

平熱と発熱

平熱は一般的に37.8℃から39.3℃の範囲にあります。体温が39.7℃を超えると発熱と見なされ、獣医師の診断が必要になります。
さらに、2週間以上原因不明の発熱が続く場合は、不明熱という状態が考えられ、これはしばしば深刻な疾患のサインです。

発熱のメカニズムと全身への影響

発熱は、体内の感染源が免疫システムを活性化し、インターロイキン1やプロスタグランジンといった化学物質が放出されることで起こります。
これらは脳の視床下部にある体温中枢に作用し、体温を上昇させる指令を出します。
全身には頻脈や大脳浮腫、骨髓抑制、そして時には播種性血管内凝固(DIC)などの影響が及ぶことがあります。


発熱を疑うべき病気のリスト

発熱の原因となる病気は多岐にわたります。獣医師は以下のリストから、可能性を絞り込んでいきます。

  • 薬剤や中毒:特定の薬剤や物質による反応
  • 免疫介在性疾患:体の免疫システムが過剰に反応してしまう病気
  • 感染症:細菌、ウイルス、真菌、寄生虫が引き起こす
  • 腫瘍:がんなどの腫瘍性疾患
  • その他の炎症性疾患:肝臓疾患、消化器疾患、腹膜炎など

免疫介在性疾患について

免疫介在性疾患では、溶血性貧血、血小板減少症、多発性関節炎などがあります。
特に犬に発生の多い多発性関節炎は、犬が自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことで起こり、関節の腫れ、痛み、赤みなどの症状が見られます。


症例を通じた診断プロセス

ここでは、発熱を示した犬の具体的な症例を通して、診断プロセスを見ていきます。


症例1: 中年の日本猫

元気のなさと食欲不振を主訴としていました。血液検査では白血球の異常が見られ、エコー検査で明確な異常は見られませんでしたが、症状の改善が見られなかったため、開腹手術が行われました。腫大した膵臓を認め、急性膵炎の治療を開始しました。

症例2: ラブラドール・レトリバー

食欲不振と貧血があり、血球貪食性組織球肉腫が診断されました。エコー検査では肝臓と脾臓の腫大が確認されました。脾臓の外科摘出を行い、血球貪食性組織球肉腫の診断に至りました。

症例3: ミニチュアダックスフント

立ち上がり時のふらつきと食欲低下を示し、関節液検査で炎症の兆候が見られました。これにより、関節炎が疑われます。関節から採取した液体を顕微鏡で観察し、炎症細胞の種類と数を評価することで、関節の問題を特定します。

診断のための追加検査

愛犬が発熱したとき、獣医師は神経学的検査、画像検査、細菌培養検査、真菌抗原検査、PCR検査など、状態に応じた適切な検査を行います。

まとめ

症状の背後にある原因を特定するためには、状態に応じた適切な検査が不可欠です。