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肺高血圧症🐶右心の病気を抱える犬の診断と治療

 犬の肺高血圧症の概要

犬の肺高血圧症は、肺動脈の圧力が異常に高くなる病態であり、心臓への余計な負担と肺の血管に血液が流れるのを困難にします。この状態は、一次性肺高血圧症と二次性肺高血圧症に分けられ、後者は心疾患や肺疾患など他の疾患によって引き起こされます。
フィラリア症や、肺血栓塞栓症、気管虚脱などの呼吸器疾患に続発して右側の心臓の機能が落ちていきます。

症状は初期には目立たず、進行すると強度の呼吸困難、運動時の急速な呼吸、疲労、咳、青白い歯茎、気絶、または心不全による腹水貯留が見られます。

 

肺高血圧症に特有の検査所見

肺高血圧症における心臓と肺の健康状態を知るために、特定の検査所見に注目します。

心臓超音波検査(エコー)で注目する点:

    • TR (Tricuspid Regurgitation) 3 m/s 以上:三尖弁逆流の速度が3メートル毎秒以上なら、肺動脈内の圧力が高いことを示し、これは肺高血圧症の重要な証拠です。


    • 右心房拡大:右心室が高い圧力で働くことにより、右心房が通常よりも大きくなることがあります。これは心臓に異常な負担がかかっている証拠です。
    • 心室中隔の扁平化:右心室の圧力が高いと、心室を隔てる壁(心室中隔)が平たくなることがあります。これは正常な心臓の構造の変化を示しています。

  • 肺動脈の拡張とPAの拡大:肺動脈の圧力が高まると、動脈自体が拡大します。これをエコーで確認できる場合、肺高血圧の可能性があります。
  • PA/AO 比 > 0.98:肺動脈と大動脈の直径の比が0.98を超えると、肺動脈が異常に拡大していることを示しており、これも肺高血圧症を示す証拠です。


胸部レントゲン検査で注目する点:

    • 心臓の形状とサイズ:心臓が「くの字」形や逆D型をしていたり、胸部の3/5以上を占めている場合、これは特に右心室の拡大を示しています。


    • 主肺動脈の拡大:肺高血圧症では、主肺動脈が拡張して見えることがあります。

  • 異常な肺パターン:肺野に異常なパターン、特に肺水腫や肺静脈の圧迫の兆候が見られる場合、これは肺の高圧を示唆しています。

当院では、看護師もエコー検査の一部に携わり、状態の悪い子をなるべく院内でお待たせしないようにしています。獣医師と連携して迅速な診断、治療につながるように、来院後すぐに適切な検査や治療につなげるようにしています。呼吸状態に不安がある場合には、順番を前後して治療にあたる必要があるので、近くのスタッフにお申し出ください。

 

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