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「ホテルや預かりでパニックになってしまう」「怖がって吠える・唸る・噛みそうになる」――このような出来事があると、飼い主さんは強い不安や罪悪感でいっぱいになります。
けれど多くの場合、それはしつけや性格の問題ではなく、恐怖と不安が限界を超えた“パニック反応”です。この記事は、同じ悩みを抱える飼い主さんが状況を整理し、冷静に次の一手を考えられるようにまとめたものです。
病院・ホテル・トリミングなど、知らない環境/知らない人/飼い主さん不在が重なると、犬は「何が起こるかわからない」「逃げられない」と感じやすくなります。
その結果、吠える・唸る・突進する・噛みつこうとする、という行動が出ることがあります。これは「悪意」ではなく、怖くて自分を守ろうとする行動です。
預かりやホテルは、犬にとって「生活が丸ごと変わる出来事」です。診察室では頑張れても、バックヤードやケージで突然不安が爆発することがあります。
ポイント:「できていたことができなくなる」のは、根性やわがままではなく、恐怖で脳の処理が追いついていない状態のことがあります。
この状態では、水が飲めなくなる、呼吸が荒くなるなど、体調面のリスクが一気に上がります。
パニックで水を飲めなくなると、脱水・熱中症・循環不全など、短時間でも体調が崩れる可能性があります。特に興奮が続くと、体温が上がりやすく、急変リスクが高まります。
同じ行動でも、体が小さければ「怖がりだね」で済むことが、体が大きいと周囲に与える影響が大きくなります。これは犬が悪いのではなく、“事故になった時の規模”が変わるという現実です。
また短頭種では、興奮によるパンティングが続くと呼吸器の負担が増えやすく、健康リスクが高まりやすい傾向があります。行動面だけでなく、「落ち着けること」そのものが健康管理になる場合があります。
過去に噛みつきがあった場合、飼い主さんが「また起きたらどうしよう」と強い不安を抱くのは当然です。大切なのは、犬を責めることでも、飼い主さんが自分を責めることでもありません。
必要なのは「事故が起きない仕組みを作ること」です。事故は、犬の気持ちだけでなく、環境・距離・タイミングが重なって起こります。
安全の考え方:「うちの子が悪いから」ではなく、“近づけない・触らせない・興奮させない”を設計するという視点が大切です。
病院・待合・通路など第三者がいる場所では、「距離をとる」「声をかけて近づかせない」を最優先にしてください。
同じ犬でも、場所によって落ち着ける/落ち着けないがはっきり分かれることがあります。たとえばトリミングでは問題なくできるのに、病院のバックヤードでは強いストレスが出る、ということがあり得ます。
噛みつきや強い警戒がある子へのサポートは、特別なことではありません。専門のトレーナーが、声のトーン、叱るタイミング、落ち着かせる導線、家庭内のルールなどを具体的に教えてくれることがあります。
「犬を支配する」方向ではなく、犬が「人は常に怖い存在ではない」と学べるように、安全な範囲で経験を積み重ねることが軸になります。
「預けた自分が悪かったのでは」「これから先どうしたらいいのか」と悩むほど、飼い主さんは真剣に向き合っています。ここで大切なのは、反省ではなく次に安全にするための情報整理です。
落ち着くための視点:「この子は異常なのか」ではなく、“どの条件が重なると怖くなるのか”を知ることが第一歩です。
不安が強い子ほど、環境の差を敏感に感じ取ります。だからこそ、合う環境を選べた時に、驚くほど良い表情が戻ることもあります。
パニックや攻撃的に見える行動が出た時、飼い主さんは「なんとか直さなきゃ」と焦りやすくなります。けれど本当に大切なのは、まず命と安全を守る設計です。
この子が安心できる環境を選ぶこと、無用な接触を避けること、そして必要なら専門家と一緒に「落ち着ける形」を作ること。これらは逃げではなく、前向きで責任ある選択です。
もし今、不安でいっぱいでも大丈夫です。冷静になって「安全にできる形」を一つずつ増やしていけば、犬も飼い主さんも、少しずつ楽になっていけます。