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高齢ペットの健康維持:体位変換の基本と工夫

はじめに

最近の犬・猫は高齢化が進んでおり、そのためには高齢のペットに対する適切なケアが求められています。飼い主さんからは、「自宅でどうケアを行えばいいのか分からない」といった相談が多く寄せられているでしょう。特に体位変換は、褥痛(じょくつう)の予防として、動物看護師や飼い主さんが頻繁に関わるケアの一つです。高齢ペットの為の体位変換の基本と工夫について説明します。

体位変換(褥痛予防)の基本

体位変換とは、自分で姿勢を変えられない動物に対して、体勢を変えることです。自力で動けない状態で同じ姿勢を続けると、体の特定の部分が圧迫され続け、血流が悪くなり、褥痛が起こりやすくなります。そのため、定期的に体位変換を行い、血流の滞りを防ぐことが褥痛の発生を予防します。通常、2〜3時間ごとに行うことが勧められていますが、ペットの種類、体重、体格、皮膚の状態、被毛の厚さなどを考慮して調整する必要があります。

体位変換の方法

元の体位から伏臥位を経由し、反対向きに変えることが基本です。小型犬に対する体位変換の場合は、以下の手順で行います:

  1. 犬を自分の体にしっかりと抱き寄せる。
  2. 自分の体に沿わせ、犬の体を反対の向きにする。
  3. 太腿に滑らせながら犬を降ろす。

ただし、四肢を持って仰臥位を経由するやり方で体位変換を行うと、関節に負担をかけるリスクや内臓の捻転のリスクがあるため、十分注意が必要です。

大型犬の体位変換

大型犬の場合、毎回複数人で持ち上げるのは難しいことがあります。その際は、下半身だけを伏臥位にして反対の向きに変えることで、一人でも安全に体位変換を行うことができます。

専用の介護グッズの活用

専用の介護グッズを使うことで、「立位」看護ケアの工夫を加えることができます。一時的にでも体を起こし立つ姿勢になることで、動物の気分転換にもつながります。また、立位姿勢で食事や給水も行うことができるため、誤飲を防ぐ助けにもなります。

体位変換管理表の使用

体位変換は長時間にわたり行うことが多いです。管理表を使うことで、次に体位変換を行う時間が分かりやすくなり、向きの誤りを防ぐことができます。特に複数のスタッフで管理する場合は、共有ツールとして使用すると便利です。

これらの基本と工夫を組み合わせながら、高齢ペットの体位変換を行うことで、褥痛の予防とペットの健康維持に貢献できます。動物病院スタッフや飼い主さんが協力して、ペットが快適な老年生活を送れるようサポートしましょう。