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子宮蓄膿症

避妊手術のしていない高齢の子に多いです。

🐾 犬の子宮は出口が閉鎖しているため、一度子宮内に細菌感染を起こすと一気にひろがり、敗血症(細菌感染が重篤になり、体の抵抗力を上回る状態)になり、死に至ります。1日から数日で状態が急変します。


🩸 陰部から出血していたり、膿が出ている場合はすぐに受診しましょう。

どんな病気?

  • 細菌が子宮に感染し、細菌の出す毒素によって腎不全や肝不全、血栓ができたりします。
  • 膿が排出される解放性子宮蓄膿症と、膿の排出がされない閉鎖性子宮蓄膿症があります。
  • 閉鎖性の場合は細菌が急激に増え、毒素により容態が急変することがあります。
  • 犬は閉鎖性が多いです。

なりやすいタイミング

  • 発情出血のあった1〜2ヶ月後の黄体期に起こりやすいです。
  • 黄体ホルモンが子宮内膜を充血させ子宮の免疫が落ち、細菌感染しやすいとされています。

症状

  • 💧 多飲多尿(腎不全によるもの)
  • 🍽️ 食欲低下
  • 🤢 吐き気、嘔吐
  • 🌡️ 発熱
  • 🐾 お腹が張る
  • 陰部の腫れ
  • 解放性子宮蓄膿症の場合、陰部から匂いや膿が出る

検査

  • 血液検査:炎症マーカー(CRP)、腎臓(BUN、CRE)、肝臓(GPT、ALP)、白血球数や貧血の有無(CBC)などを検査します。
  • 超音波検査:子宮の状態を確認します。

治療

  • 🩺 子宮・卵巣の外科摘出:閉鎖性子宮蓄膿症の場合、早急に子宮を外科摘出する必要があります。全身状態が悪い場合、麻酔のリスクが高くなります。
  • 抗生物質だけに頼る治療では手遅れになることが多いです。

子宮蓄膿症の画像

子宮蓄膿症について

子宮蓄膿症は軽視してはいけない疾患です。10%が腹膜炎に進行し、そのうちさらに10%が死亡に至る可能性があります。

子宮蓄膿症における血液培養では、全9例中6例がDIC(播種性血管内凝固症候群)を示し、陽性例の死亡率は22%です。正しい抗生物質の選択を行うために、菌の培養同定検査と、抗生物質の感受性検査を行っています。

主要な起炎菌: Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosa, Enterococcus faecium, Corynebacterium spp, Acinetobacter spp

予防

  • 🐕 発情の始まる前(生後半年頃)に避妊手術をすることで予防できます。
  • 子宮蓄膿症の予防と同時に、乳腺腫瘍の予防にもなります。