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血が止まらない病気 Death is coming .(DIC;血栓症)

 

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DICとは

DICは、重度な感染症や、腫瘍を持っている子でなる病気です。腫瘍や炎症などの病気が原因で血液凝固の異常が起こり、細い血管内に微小な血栓ができます。
血液を固めるために必要な血液成分や血小板が消費され、逆に血が固まらなくなります。

出血していないのに血栓ができたり、いきなり出血します。
出血がお腹の中で起きたり、脳で起きると危機的状態なので、皮膚炎を見たときには、他の部位にもないかくまなく探します。

がんや心臓病、肝臓病、腎臓病、血液疾患などのからだの内部に重大な病気が隠れていることが多く、特に高齢の動物でDICで腹腔内まで出血している場合、一番多いのは肝臓の腫瘍か脾臓の腫瘍であることが多いです。

DICに関する説明画像

 

DICの症状に関する画像

DICの症状

体の表面に出血が見られることがあり、目の粘膜、皮膚、歯肉などで出血が見られます。
腫瘍を摘出した場合、全く関係のない部位に急に紫色っぽいあざ(紫斑)ができて破けて出血します。全身へ発展しないように注意する必要があります。
内股や膝など毛の薄いところが見やすいです。

 

DICの診断と治療

診断には血液検査や血液凝固系検査が必要です。
原因となる病気の診断には全身的な画像検査(エコー検査やレントゲン検査)が行われます。
治療には原因となる病気の治療が重要で、血液が固まりやすい段階では薄める治療(低分子ヘパリンなど)、固まらなくなった段階では輸血が行われます。

 

凝固検査

1次止血:血小板(院内のCBC検査)
内因系、外因系(PT、APTT:外注検査)
血栓の産物(フィブリノーゲン:外注検査)

採血時は、溶血させないように太い注射針で一発で採血します。

血液を凝固検査用採血管に入れて遠心分離にかけます。
1.クエン酸ナトリウム1に対して血液を9で入れ、約10回転倒混和します。
2.3,000〜3,500rpm(1,000~1,200g)の遠心分離を10分間行います。
3.血漿(上澄み)をマイクロチューブなどに移し、速やかに凍結保存します。

注意点
注射器(針)から血液を勢いよく注入すると、フィブリン析出の原因となります。
血液を注入する際は容器の内側側面をなぞる形で行います。

 

低分子ヘパリン

ヘパリンの低分子量は、血栓を防ぐ薬です。未分画のヘパリンよりも出血のリスクが低いと考えられています。ただし、犬には効果的な投与方法が難しく、高用量が必要な場合があります。副作用にはショック、出血、血小板減少、血栓症などがあります。また、吐き気や発熱などの軽い副作用も報告されています。
用量は40単位 /kgをボーラス投与(静脈に一気に投与)します。以後20単位 /kg/hr で持続的に投与します。

血液凝固阻止剤のダルテパリンNa静注5000単位/5mLでは1単位で0.001mlになります。
3kgの子であれば120単位(0.1ml)を静脈に注射し、その後60単位(0.06ml)が1時間で流れるように点滴に混ぜます。